第1回「合格発表までに読んでおきたい本」

こんにちは、さくらです。
灰色の受験生ライフを明るいものにするブログ、「さくら受験生ライフ」のスタートです。

とは言っても、まだ新受験生はあまり見ていないので、3月中は旧受験生(新高校生)に向けた情報発信をしたいと思います。


1回目は後期選抜を終えたばかりの元受験生に贈る「合格発表までに読みたい本」を2冊紹介いたします。
入試が終わったら、早めに高校の予習を始めたいところですが、発表前では気持ちが落ち着かず身に入らないかもしれません。
そこで、この機会を利用して、「未来の自分」の土台を作るためのヒントをつかんでおきましょう。


君たちはどう生きるか 吉野源三郎 (岩波文庫) ¥ 840<目次>
1.へんな経験(ものの見方について)
2.勇ましき友(真実の経験について)
3.ニュートンの林檎と粉ミルク(人間の結びつきについて)
4.貧しき友(人間であるからには)
5.ナポレオンと四人の少年(偉大な人間とはどんな人か)
6.雪の日の出来事
7.石段の思い出(人間の悩みと、過ちと、偉大さとについて)
8.凱旋
9.水仙の芽とガンダーラの仏像
10.春の朝


新しい世界に向かう君に贈る本の定番。
初版は1937年と古いものですが、今読んでも若者の本質に変わりはないと感じます。


主人公のコペル君は旧制中学の2年生、本編中にも出てきますが、旧制中学に通う=エリートという時代です。
旧制中学を母体に持つ県千葉、県船橋東葛飾、佐倉、木更津などに進学する(後期の発表はまだですが)人に読んでもらうと、よい心構えになると思います。


大人になってから読んでも得るもののある本ですが、10代に読んでおけばよかったと後悔もさせてくれます。
後ろにつけられた丸山真男の回想も秀逸です。(これは大人が読みたいものです)
中高生が自分から買うような本ではないので、ぜひプレゼントしてあげたい1冊です。




「君たちの生きる社会」 伊東光晴 (ちくま文庫) ¥ 651<目次>
・はじめに
・おどろくな、あわてるな
1.食糧問題を考える
2.エネルギー問題を考える
・お金の世界−内と外
1.欲望を作り出す世界−君たちは広告にやられていないか
2.お金の世界は油断するとやられる世界でもある
3.お金の外の経済の世界−公害を考える
4.お金はなぜたやすく手に入らないか
5.もうけはどこから
6.不平等について
・日本の社会を考える−欧米とのちがいのなかで
1.風土のちがい、考え方のちがい
2.社会のちがい、考え方のちがい
・技能に生きる世界−そこにかくされているもの
・おわりに


社会とお金の仕組みを経済学者の筆者が、わかりやすく教えてくれる一冊。
1978年発行と少し古い本ですが、大人が読んでも目からウロコです。


前出の「君たちはどう生きるか」が倫理面(内面)を中心に書かれているのに対して、こちらはもっと実生活に役立つ考え方が中心になっています。
教科書からは得られなかった、現実社会に対する「ものの見方」が衝撃的に入ってきます。
(私が大学生の頃、伊東先生の「天地をひっくり返すような考え方」に感動したものです。)


君たちはどう生きるか」より、こっちのほうがわかりやすく、役に立ったと思える1冊です。
これも、自ら手に取るような本ではないので、ぜひプレゼントしてあげたい本です。




次回は高校の予習に使う1冊を紹介します。


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